スタッフのMasaです。
隠居カップ Vol.1本戦の合間に行なった、工具を使ったミニゲーム「Tall Order Pocket Socket レース」の様子を、Naoki Gamanの写真と共にお送りします。
隠居CUPの来場者は、今を駆けるスキルフルな若手ライダーはもちろん、始めたばかりでまだ自信を持てないビギナーズ、キッズライダーやその親御さんまでを包括します。
今回、スケートパークでの開催ということでさすがに許可がおりませんでしたが、お酒を片手に観戦、なんて大人達もたくさんいらっしゃいます。
そして、来場者の1人でも欠けることなく来てくれたひと全員に楽しんでもらいたいという思いから、BMXのトリックが何もできなくても参加できるミニゲームなどの提供を心がけており、大会参加者、観客、運営関係者の心が文字通りに一丸となることを目指しています。
以上のことから、一度でも、旧名「隠居JAM」に遊びに来てくれた方ならお分かりいただけることだと思いますが、僕たちはただBMXのJAMや大会を開催するだけではなく、そこに体育祭的要素を掛け合わせることを特技、取り柄としています。
今回は、開催地富山市の有名なドーナツ屋さんであるSkidさんのご協力のもと、BMXにまたがりチュロスをくわえてゴールまで突っ走るパン食い競争、そして本大会に物品提供をしてくれているJYKK JAPANプレゼンツのTall Order Pocket Socket レースを、誰でも参加可能なミニゲームとして用意させていただきました。
当記事で紹介するTall Order Pocket Socket レースの概要としましては、まずBMX一台と、フロントホイールを外せる工具を持参していただきます。
子供のBMXを借りて参加するお父さん方もちらほら。
次にそれぞれのフロントホイールを外してもらい、運営側にあずけていただきます。
運営側はそのホイールを少し離れたところに配置しますがここで、自分のホイールが近いところにあればあるほど有利、となるところ、少しだけ工夫を加えました。
バンクを登った先の陰にホイールを隠し、自分たちのフロントホイールがどこにあるのかを分からなくさせる、意地悪な工夫です。
主催の2人、悪い顔をしています。
僕のBMXを借りて出ると言ったライダーには、もっと離れたところのフェンスに。
あとは、フロントホイールの外れたBMXとホイールを装着する為の工具を持って走り、自分のホイールを見つけて装着しゴールまで走るだけ、というシンプルなゲームです。
位置について、よーい、スタート!の掛け声と共に、みんなが走り出します。
チェーンがない分、リアホイールよりは楽なフロントホイールですが、ペグがついてるライダーは10mmシャフトに合わせて調節するためのスペーサーが邪魔して入れづらかったりしますよね。
焦ると手元も狂いだして余計に入らない、なんてことも。
かなり苦戦されたライダーもいましたが、ここで一番に抜けてきたのが、本戦の方でも決勝までライディングをみせてくれたRyoくん。
それもそのはず、なんとホイールを入れただけでナットを締めずに走り出したわけです。(画像右上)
あまりにも走り出しが早過ぎて、本人も会場も驚き混じりの戸惑い一色。
このままゴールしちゃっていいの?という表情でRyoくんが、その手があったか〜!と困り顔の僕の方を見てる間、そんなことは脇目にホイールを装着し、普段のライディング時もそんなスピード出さないでしょ!な勢いで追いついてきたのが、Yudai選手。
Pocket Socketを持った運営スタッフのKiyoさんめがけて突っ走りますが、会場にいたほぼ全員がYudaiの勝利を確信した直後、ゴール自身が走って逃げ始めるという仕掛け。
しかし、急に動き出したKiyoさんにも瞬時に反応して方向を切り替え追跡、勝敗はRiichiとYudaiの間で揺れ、観客のみんなの気持ちをさらに引っ張ります。
そして最後はアールの上に追い詰め、ゴールに飛びつきYudaiがRiichiとの競り合いに勝利。
賞品はもちろん、Tall OrderのPocket Socket、その名の通りポケットに収まる工具で、17mmソケットと6mm, 8mmのアーレンキーがひとつになっているアイテムです。
このミニゲームは一見ただの風変わりな競争ではありますが、その競争という緊張のなか、手元を狂わせることなくホイールを装着して全力のライディングを再開する、これは大会中のバイクトラブルや、ストリートで起こりうるトラブルに立ち向かう際のメンテナンスをはじめとしたスキルや肝が試されるゲームでもあると思っています。
BMXを借りてでも、ライダーじゃない方々にも参加していただきたいのはもちろんですが、なんといってもやはりBMX。
改めてBMXライダーにもっと参加していただきたいゲーム、イベントだなと我ながら思いました。
一瞬、目があったRyoくんにはきっと僕の思いが通じたと思いますし、誰でも参加できるんだということを実際のものにしてくれたキッズライダーのお父さん方、スタート合図直前に、ゴール手前でいきなり走りだしてくれという指示を上手く汲み取ってくれたKiyoさん、そして勝ったYudaiはもちろんですが、勝てないと分かった状況でも走り続けてくれたみんなの気持ちにも、感謝と尊敬の念をおくりたいです。
さまざまの形の熱い思いが揺さぶられた、いい戦いでした。
またいつか、どこかで同じようなゲームができたらいいなぁと思います。
見かけたら是非、参加してください。
ありがとうございました!
Photo : Naoki Gaman